「待つのも仕事!」
江戸時代、播磨国の商人たちは、城主に何度も製塩業の申請をしましたが一向に許可が下りませんでした。そこで人望のあった家老・大石内蔵助に頼んでみたものの、まったく音沙汰がありません。ところが10年経ってようやく製塩の許可が下りました。商人たちが理由を聞くと大石はこう答えました。「塩を焼くには大量の薪がいる。播磨の山は木が少なく、製塩を始めたらすぐに坊主になってしまう。だから、苗木を植えた。そして10年経って木が育ったので製塩を許可したのだ」平素は昼行燈とあだ名がつくほど凡庸な人間と思われていた大石ですが、民の声に耳を傾け、機会を待っていたのでした。
何もしていないと不安になってしまうこともありますが、「じっと待つ!」ことが一番必要とされる状況もあるのです。
ちょっとワンダフルなお話②(2013.1.29-k.h)