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ゼロ・グラビティ

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「Gravity」なのに「ゼロ・グラビティ」とはこれいかに

3Dの『ゼロ・グラビティ』を観る。3Dなのでいつもよりやや後方に席を確保する。
私はどんな死に方が嫌だといって、酸素がなくなって死ぬのが嫌だと昔から思っている。従って、船に閉じ込められたまま沈むとか、宇宙で船外活動していて命綱がはずれちゃうとか、そういう映画は敬遠したいのである。(でも観てしまう) ところがラストまで観ていたらなんと主人公はこの映画のなかで、よりによって両方とも経験させられてしまう。私からしてみればなんと気の毒な人なのだろうと同情した。
映画の作りはよくできた構成になっていて舌を巻いた。無線通信などで、たくさんの声は行き交うのだが、気が付いてみればスペースアドヴェンチャー映画ともいえるこの映画のなかで、出演者はほぼサンドラ・ブロックただ一人ということになっていた。「共演」のジョージ・クルーニーが冗談のように一瞬、ヘルメットを外して素顔を見せるが、ほぼカメオ出演といいっていい。劇伴音楽だってラジオから流れるカントリーミュージックを除けば、ほとんどあってないようなものではなかったか。それだけ静寂が支配している孤独な空間を表現している。ただ、宇宙空間にかすれたように聞こえるカントリーミュージックが母なる地球への郷愁を掻き立てる。
無重力状態をどうやって撮影したのか。また、さりげなくヘルメットの内と外を行き来するカメラワークはどうなっているのか興味は尽きない。宇宙船や人工衛星の破片が飛んでくるところは3Dの本領発揮である。さすがによけた。

二点、気になったところ。一点目は宇宙船の出入りが車に乗るかのような無造作であった。実際はこんなものなのかと思ったが、買ったプログラムに宇宙飛行士の山崎直子のインタビューが載っていて、さすがにあれはない、といっていた。そうだろうな。
もう一点は唯一生き残った人類である、サンドラ・ブロックの最後の希望が中国の宇宙船「神舟」であるということである。現実の宇宙開発を受けての設定だが、人類の最後の希望が中国というのは何かの暗喩か。

最後に。地球には大気圏があって空気が存在するし、宇宙からの異物はここでほとんどシャットアウトされる。それで青い空と青い海が保たれている。かえすがえすも地球は奇跡の星なのである。その星に私たちは住んでいる。
(新宿ピカデリー他で公開中)  wwws.warnerbros.co.jp/gravity/

なにゆえに エテ公特撮 休日に  半日仕事に いとどかなしき  Y.F.(1/13)

 

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