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生み出された美、伝えゆくわざ

昨日で終了してしまいましたが、先日上野の東京国立博物館で開催されていました『人間国宝展』に行ってきました。
国宝、重要文化財クラスの展示とその系統を継ぐ、人間国宝の芸術家あるいは職人の作品の比較展示でした。入っていきなり、重文の奈良時代の三彩壺に心奪われます。その隣に平成に作られた三彩花器がありました。当然、奈良時代の壺に適わないのですが、1200年前に果敢に挑み、なんとか肩を並べようとした加藤卓男の花器も十分すばらしいと思いました。
そういう作品展示が延々と続きます。刀剣なんかも素晴らしかったです。人を殺める武器なんですが、幽玄のような刃紋をもち、凛とした日本刀の美しさは格別ですね。見入っていると魂を吸い取られそうです。竹細工だって、竹でこんな表現ができるのかって、感嘆しました。日本人は手先が器用だな。偉大なり日本人。
それとこれは国宝ですが、5千年前の縄文時代の新潟出土の火焔型土器には感檄しました。ほとんど無傷!誰が作ったかなんて当然わからないのですが、やっぱりどんな大昔でも現代と同じく、アーティストの気質を持っている人は間違いなくいることを確信させられました。表現手法こそ現代からみれば洗練されていないように見えるだけで、丁寧に美しいものを作ろうとしていた精神は5千年の時を超えても伝わってきます。
さて写真ですが、一通り展示物を観てスーベニアショップを覗いていたら、面白いものがありました。古伊万里の容器に入ったカップ地酒(!)です。「こんなのあるんだ!」と嬉しくなって、蛸唐草とぼたんの容れ物をセットで買ってしまいました。もちろん何度でも使えます。眺めて良し、吞んで良し。ああ、こんな古伊万里で呑めるとは愉快なり。

くにたから(国宝) 神わざ魅せし 上野山  器で酔はせ 中身で酔はす   Y.F.(2/24)

 

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