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世田谷ボロ市まつり

世田谷の年末年始の風物詩である、ボロ市に昨日行ってきました。

毎年12月15,16日と翌1月15,16日に開かれるこの市は400年以上の歴史を誇っています。ですから今冬、休日にあたるのは昨日の日曜日だけです。
ロカールな催しとはいうものの、ここ数十年でかなり知名度が高まり、ものすごい人出で午後ともなると身動きもままなりません。外国人も多く見られます。からみ餅に過ぎないと思うのですが、名物「代官餅」などは一時間くらい並びます。

確かに、売っているものは、古着や骨董や古い雑貨なので、子どものころはともかく、年頃になるとそんな怪しげでキラキラしてないお祭りなんて目もくれなくなります。ですから私も20年くらい行っていませんでした。ほんとは古民具なんかかなり面白いものがあるんですが、もはや何に使うのかもわからないような代物です。半被なんか欲しくなっちゃたなぁ。

それでも屋台目当てに5年くらい前に気まぐれに行ってみたら、安い陶器なんかになんだか惹かれるようになって、毎回行くようになってしまいました。だいたいボロ市で買うのは陶器といっても徳利とお猪口です。最初に買ったのは赤織部でした。徳利だとおもって使っていたら使い勝手が悪く、よく考えたら一輪差しだったようです。その後安いのを買ってだんだんいろいろなことが分かるようになり、昨年益子焼の徳利とぐい呑みを買ってすっかり嵌ってしまいました。
今年の自分テーマは「シュッとした青磁とか白磁ふう」の徳利とぐい呑みとしました。テーマがぶれなければ余計なものには目が行きません。テーマがないと、安いだけにあれも買っちゃうし、これも買っちゃうしで、家人に文句を言われる羽目になるのです。
結局二往復して、青磁のぐい呑みの気に入ったのを見つけ、それに合う青磁風の徳利も見つけました。値段は交渉次第。ぐい呑みが「まあまあ」の値段。徳利がワンコイン。両者の値段があまりにもアンバランスなので様子のつり合いがとれるかな、とは危惧しました。
ボロ市で酒器を買ったあとの楽しみは寒いだけに家に帰って、買ったばかりの酒器で熱燗を飲む時です。徳利とぐい呑みを洗って並べてみたら、なんかやけに青磁コンビが様になっているので、嬉しくなってしまいました。

いい買い物したな、とニヤニヤ眺めながら、買ったばかりの酒器で熱燗を飲む。こういう日曜日は楽しい日曜日だ。  Y.F.(12/16)

 

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